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生化学・免疫血清検査

生化学・免疫血清検査とは?

血液を遠心分離(回転の遠心力で重いものを沈め、軽いものを浮かせる)すると、細胞成分と液性成分である血清に分かれます。生化学検査では血清に含まれる成分を分析し、体の異常の有無や異常の程度を調べています。
生化学検査ではたくさんの項目を扱うため、それらのうち代表的な項目について、説明します。

代表的な生化学検査の内容
肝臓機能検査

肝臓にある細胞が病気によって障害を受けると、肝細胞から内容物が血中に流れ出します。また、肝臓は様々な機能を持っており、体にたまった老廃物を無毒化したりしていますが、肝臓が悪くなると、この機能が弱くなって老廃物が血中にたまっていきます。これらを測定することにより、肝臓の障害の有無やその程度を調べることができます。

項目 説明
AST(GOT)、ALT(GPT) 細胞の生命活動に不可欠な酵素で、全身の細胞に存在していますが、肝臓が悪くなると上昇してきます。特にALTは肝細胞に多く含まれています。
γ-GTP  肝障害の中でも特にアルコール性肝障害で上昇してくる酵素です。
ビリルビン ヘモグロビンの老廃物で、特有の黄褐色を示す物質です。黄疸という症状はこのビリルビンが血中に増加することをいいます。肝臓が悪くなるとビリルビンは体外へ排出できなくなり、血中にたまってきますので、検査値は上昇します。


腎機能検査

腎臓は血液を濾過する装置で、血液にたまった老廃物をこし出して尿にする臓器です。腎臓が悪くなると、たまった老廃物が血中に増加してしまうため、それらを測定することで腎機能の低下を知ることができます。

項目 説明
BUN 体中の細胞から代謝によってアンモニアが血中に放出されます。アンモニアには毒性があるので、肝臓で無毒な尿素に変えられてから、腎臓でこし出されて尿へと排出されます。腎臓が悪くなるとたまった尿素が血中に増加するので、これを検査して腎機能を調べます。
クレアチニン 筋肉細胞の代謝によって生成されます。BUNと同様に腎臓で尿へと排出されますが、腎機能障害によって血中で上昇します。


痛風・高脂血症の検査

生化学検査のうち、痛風と高脂血症の検査を紹介します。

項目 説明
痛風の検査 尿酸は、細胞の核の老廃物で、肉類の過剰摂取などによって血中に増加してきます。痛風とは、この尿酸が結晶となって関節や組織にたまることで起こります。
高脂血症の検査 コレステロールは善玉と悪玉に分けられ、前者はHDL、後者はLDLコレステロールと呼ばれています。これらを組み合わせて測定することで、将来、動脈硬化症になる確率が高いかを判定したりします。
また、中性脂肪も重要な動脈硬化の指標とされています。


糖尿病検査

生活習慣病として知られる糖尿病ですが、病気が進行するまでは自覚症状に乏しく、検査が非常に重要になる疾患です。
糖尿病の検査には次のようなものがあります。

項目 説明
血糖 文字通り、血中の糖濃度です。血糖は食前に低く、食後に高くなり、その後しばらくして食前の値に戻っていきます。糖尿病になると、食前から血糖が高かったり、食後時間をおいても食前の値まで戻りにくくなったりします。
グリコヘモグロビン 血糖が高い状態が続くと、赤血球中のヘモグロビンに糖が結合します。それがグリコヘモグロビンです。くっついた糖は赤血球の寿命がくるまでそのまま結合したままですので、これを測ることにより、赤血球の寿命分の期間(およそ2ヶ月間)、血糖が高かったかが分かります。


感染症

ウイルスなどの病原体に侵入されると、体はそのウイルスに対抗するため抗体を作ります。抗体とはその病原体にのみ反応するタンパク質で、病原体に付着して排除する役割を持ちます。つまり検査によって血液から抗体を検出することは、その病原体に感染している(もしくはしていた)ことを表します。
また、人工的に作り出した抗体を用いて、血液中に含まれる病原体そのものを検出する検査方法もあります。

項目 説明
肝炎ウイルス B型肝炎、C型肝炎などの病原体や、それに対する抗体を検出し、感染の有無を証明します。
梅毒 梅毒の病原体や抗体を検出します。
その他 病原体には様々な種類があり、それに対するたくさんの抗体を検査しています。


腫瘍マーカー(がん特異抗原)

がん細胞から特殊な物質が生み出されることがあり、それを血中に証明することはがんの疑いが高いことを示します。がんになったのがどの臓器かによって、上昇してくる腫瘍マーカーも違いますので、部位の特定にも役立ちます。
また、治療によって増減することから、治療の効果判定や再発、転移の指標にもなります。

項目 説明
CEA 主に大腸などの消化器系がんで上昇してくるマーカーです。
AFP 主に肝がんで上昇します。
その他 すい臓、肺、前立腺など様々な臓器のがんに腫瘍マーカーが発見され、検査されています。


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