研修医コラム②

他職種から学んでいること

令和8年2月執筆

研修をこの病院で行おうと決めた理由

 2025年春、当院で初期研修がスタートしました。学生実習の際、呼吸器内科での実習や社会医学実習でお世話になった病院です。実習中に出会った病院スタッフの方々や、地域の保健所、介護施設の皆さんの温かい雰囲気、そしてよりよい地域社会のために動く姿や、目の前の患者さんに真摯に向き合う姿を見て、初期研修は上越で行いたいと思い、当院での研修を決めました。

研修医として働き始めて感じた不安

 入職当初は、初めての仕事ばかりで戸惑うことも多く、本当に自分は役に立てているのだろうか、足手まといなのではないかと不安になることも少なくありませんでした。また、学生の頃とは違い、実際に医療チームの一員として行動することの難しさを感じる場面も多くありました。

「相談していい」と思えた、ある一言

 しかし、大きな変化となったのが、総合診療科での研修です。担当患者さんの退院後の支援や退院先の検討などで、患者サポートセンターの看護師さんには何度もお世話になっていました。

 ある時、患者サポートセンターの看護師さんから
「いつでも大歓迎ですよ。何でもおしゃべりしに来るだけでも、気軽に来てください!」
と言っていただく機会がありました。

 この言葉があったことで、研修医である自分でも気軽に周りの人を頼り、相談してよいのだと感じ、自然と一歩踏み出すことができました。

多職種と関わることで見えてきた医療

 この経験をきっかけに、他の内科研修においても、自分から積極的に他職種へ相談するようになりました。その結果、より早い段階から患者さんの支援を考えられるようになったと感じています。

 研修を行う中で、当院の他職種の皆さんはとても親しみやすく、研修医でも気兼ねなく声をかけやすい雰囲気があると実感し、とても心強く感じています。実際に研修を始めてみて、自分が思っている以上に、相談することがとても自然に受け入れられる環境なのだと感じています。

倫理カンファレンス・デスカンファレンスで学んだこと

 また、研修中には倫理カンファレンスやデスカンファレンスに参加する機会もありました。看護師さんと実際の患者さんについて話し合い、

  • 意識障害があり本人の意向を確認できないまま治療を進めてきたが、意識状態が回復し始めた今、どのような支援を行うべきか
  • 比較的若年で、積極的治療を行うことが困難となり、緩和治療へ移行することになった患者さんやご家族に、どのような支援ができたのか

 といった、簡単には答えの出ない難しい問題と向き合いました。

 こうした話し合いを通して、自分一人では気づけなかった視点や、患者さんのそばで寄り添ってきた看護師さんだからこそ見える日々の心情の変化、ご家族の様子を知ることができました。多職種と丁寧にコミュニケーションを取ることで、患者さん本人だけでなく、その周囲の環境を含めた全体像がより明確になると感じています。患者さんの背景を理解し医療を行うことで、患者さんの望む生活や未来に近づくことができるのだと実感しました。

これから目指したい研修医像

 最後に、私は地域医療に少しでも貢献できるよう、より幅広い視野を持てるようになりたいと考えています。そのためにできることは、一つ一つの科での研修を大切にすること、そして多職種の方と連携し、さまざまな視点から患者さんを多角的に支援することだと考えています。

 また、私は新潟県のイノベーター育成臨床研修コースに所属しています。研修病院を越えた研修医や講師の先生方、運営の方々とのつながりから多くの刺激を受けています。現在は「高血圧患者の在宅治療」をテーマとした問題解決プロジェクトに参加しています。これまで直面したことのない問題や課題に行き詰まることもありますが、病院内の研修だけでは得られない新たな視点に触れられる貴重な機会だと感じています。また、研修先で応援してくださる先生方がいることも、大きな支えになっています。

おわりに

 このように、バタバタと過ごしてきた1年弱ではありますが、研修はとても充実しており、少しずつ自分の学びたいこと、やりたいことが明確になってきました。これからも多くの方々と関わり、さまざまな考え方を共有しながら、さらに成長できる一年を送れるよう、精一杯努力していきたいと思います。