医学生の皆さんへ
―「安心して挑戦し、振り返り、成長する」研修を本気でつくっています ―
臨床研修プログラム責任者 木原 好則
新潟県立中央病院は、「2年間で自ら考え、判断し、チームの中で信頼されて動ける医師」を育成することを目的とした臨床研修病院です。上越医療圏約25万人の医療を支える三次救急病院として、大学病院が近隣にない地域において高度急性期から急性期医療までを担い、年間5,600件を超える救急搬送に98%の応需率で対応しています。症例密度の高い日常診療そのものが教育として機能する環境の中で、研修医は医師としての基礎体力を確実に身につけていきます。
当院の臨床研修では、単に多くの症例を経験することを目的としていません。「経験を学びに変え、次の診療に活かせる医師を育てること」を重視し、診療の振り返りや対話を通じて思考過程を言語化する文化を大切にしています。
その一例として、当院では毎年「レジデントデイ」を開催しています。日常診療から一歩距離を置き、研修医全員が集まって自身の成長、将来像、チームの中での役割について振り返る機会です。答えが一つではない臨床判断に日々向き合う中で、「どのように考え、どのように決断したのか」を言語化し共有する経験は、日常診療を支える思考の土台となっています。
また当院では、RRS(Rapid Response System)に研修医が積極的に関与します。RRSは患者安全を守る仕組みであると同時に、一人で抱え込まず、状況を整理し、適切に相談・共有する能力を実践的に学ぶ教育の場です。これは救急、病棟、地域医療など、あらゆる診療現場で求められる医師の基本的能力であり、日常診療の中で繰り返し経験することで自然に身につけていきます。
研修全体を通して、当院は振り返りを重視しています。診療経験を積むだけでなく、「なぜその判断に至ったのか」「他にどのような選択肢があったのか」を指導医とともに言語化します。一部の診療科・研修場面では、ビデオレビューやSEA(Significant Event Analysis)といった手法も取り入れながら、失敗や迷いを次の成長につなげる前向きなプロセスとして位置づけています。
さらに、看護師、薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師、事務職など、多職種が研修医教育に深く関わっています。日常診療やカンファレンス、各種研修会を通じて、医師がチーム医療の一員として機能するための姿勢とコミュニケーション能力を早期から学ぶことができます。
こうした教育の成果は、全国共通試験GM-ITEにおいて3年連続で全国上位7%以内という結果にも表れています。ただし当院が目指しているのは、試験成績の向上そのものではありません。地域の中で患者と向き合い、チームと協働しながら、自ら考え続けられる医師を育てることが最終的な目標です。
当院で2年間の研修を修了した医師は、救急や病棟において初期対応を自ら考えて行い、必要な支援を適切に求め、診療の振り返りを通じて次の行動に活かすことができるようになります。上越という地域に根ざしながら、幅広い症例を経験し、考える力と協働する力を磨く——新潟県立中央病院には、そのための環境と文化があります。
自ら考え、責任を持って診療に向き合い、チームの中で信頼される医師として成長したい方にとって、当院の臨床研修は確かな土台を築く2年間となるはずです。