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救命救急センター

 当院は、平成9年の移転新築時に救命救急センターを開設しました。新潟県内では長岡赤十字病院、新潟市民病院に次いで、3番目の設置となっています。
 救命救急センターは全国に約150カ所にあり、それぞれ災害拠点病院にも指定され、災害ネットワークで結ばれています。救命救急センターは、3次救急患者の最終医療機関として位置づけられており、高度先進医療機器とこれを支える医療スタッフを配備しています。

救急医療体制

 救急患者さんは重症度に応じて、1次、2次、3次の3段階に分けられ、それぞれ異なった救急医療機関で対応することになっています。

1次救急患者は、入院治療を必要としない軽症な救急患者で、休日夜間急患センターで対応します。
2次救急患者は、入院を必要とする重症救急患者で、2次輪番病院と呼ばれる病院が対応します。
3次救急患者は、専門の医師による集中治療が必要な最重症患者で、救命救急センター、専門病院が対応します。

 夜間休日急患センターは、上越地域では上越市にあります。この医療体制は、1次救急は1次医療機関でしか対応しないというものではなく、2次医療機関、3次医療機関でもそれぞれ、1次救急患者さんの診療も行っています。

 2次輪番病院は、上越地域の7病院が交代で救急患者を受け入れる日を決めています。

 救命救急センターは、上越地域では新潟県立中央病院に併設されています。



救命救急センター

 救命救急センターは、一刻を争う命に関わる重症患者が、行くあてなく救命の機会を失することがないよう365日、24時間無休で開設されており、あらゆる重症患者の治療に対応できる装備とスタッフを擁しています。救命救急センターは人口100万人に1カ所の割合で全国に配置され、現在150カ所程度の救命救急センターが稼働しています。

 当院は上越地域の救命救急センターとして、平成9年にオープンし、これまで各種の毒物、薬物中毒患者や、広範囲熱傷、多発外傷患者などの高度の全身管理を必要とする重症患者が運ばれ、救命して来ました。

 救命救急センターは、救急外来、観察ベッド、集中治療室の3部門で構成されています。救急外来は、文字どおり救急患者さんの受け入れ口です。救命救急センターは3次の最重症患者の受け入れを主な目的としてはいますが、そのような重症患者が絶え間なく運び込まれて来るわけではなく、当然1次~2次救急患者さんの診療も行っております。

 救急外来受診の患者さんの内、重症患者は直ちに集中治療室に入院しますが、それ程でもないがちょっと経過観察が必要な患者さんは、観察ベッドに入院していただきます。

 集中治療室は、入院治療が必要な重症救急患者さんを収容します。

診療内容

 通年24時間、3次救急患者を最優先で受け入れる態勢をとっています。一刻の猶予もできない3次救急患者さんの救命のために、救急外来には救急隊からの直通電話が敷かれており、必要により患者さんの心電図、酸素の取り込みの状態、血圧などを電話回線を通じて、時事刻々監視できるようになっています。
 また、当院は災害拠点病院にも指定されており、全国の災害時救急医療ネットワークにより、災害時の救急医療状況を逐次把握するとともに、必要に応じて、全国からの患者さんの受け入れ、非被災地への患者さんの送り出しなどができる態勢も整備されています。

 これらの情報に応じた救急医療体制がとれるよう、複数名の医師当直、全科の救急呼び出し態勢に加え、薬剤師、検査、放射線の各技師も24時間待機態勢をとるなど、院内態勢も緊急事態の発生に備えています。

 しかしながら、このような緊急事態が常時あるわけではなく、これらの緊急態勢をフルに活用するため、これらの緊急時の業務に差し障らない範囲で、1~2次救急患者の受け入れも行っています。これらの比較的軽いと思われた患者さんの中にも、予想外の経過をとる患者さんもおり、時事刻々変化する救急患者さんの病態に応じて、1晩の経過観察や、点滴、酸素吸入などの処置のための短時間入院ベッド(救急病室)も用意されています。

 救急患者、なかでも心肺機能停止患者の初期応急手当は、病院到着前から始められている必要があり、いち早く現場に駆けつける救急隊員の教育、指導も救命救急センターの重要な仕事の一つにもなっています。このため、救急隊員と病院職員による毎月1回の定期救急症例検討会をはじめ、折にふれて救急隊員との勉強会も行われています。

集中治療室(ICU)

 救急外来受診患者、各科の病棟入院患者、あるいは他の医療機関から紹介された患者さんで、集中治療を要し、かつ、原則的に呼吸循環その他全身管理を強力に行うことにより治療効果が期待しうる患者さんを収容します。
 文字どおり集中的な重症患者管理が行われると同時に、各科の専門医がそれぞれ専門的な診断、治療を行っています。その主なものは、各科の外科的手術、人工呼吸、ペースメーカー、大動脈バルーンパンピング、補助体外循環などの特殊循環管理、血管内血栓溶解、血管内血行再建、各種血液透析、各種骨折整復、重症熱傷管理、各種内視鏡などです。

 疾患としては以下の疾患または病態などが対象となります。

 a)意識障害または昏睡
 b)急性呼吸不全または慢性呼吸不全の急性憎悪
 c)急性心不全(心筋梗塞を含む)
 d)急性薬物中毒
 e)各種ショック(大吐血、大下血なども含む)
 f)重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病など)
 g)広範熱傷
 h)大手術を必要とするもの(大手術後)
 i)救急蘇生後
 j )その他重症外傷、重篤破傷風

 集中治療室は手術室に近い清浄度で管理されているため、一般の方の入室はお断りしています。家族の面会も決まった時間に、身内の限られた方のみとさせていただいております。患者さんの安静と、清潔を維持するためですのでご了承ください。

移植医療(臓器提供)について

 当院は臓器提供病院に指定されており、院内には「脳死・臓器移植委員会」が組織されております。救急医療は、本来移植医療とは別のものです。そこで、当院では、救命医療にたずさわる者と、脳死判定を含む臓器提供に関与する者を明確に分離し、救急医はあくまで救命に専念し、かつ、臓器提供の条件に適合する事例では、的確に臓器提供を行い得る環境が整えてあります。
 臓器提供というと、直ちに「脳死」を思い浮かべがちですが、臓器提供には脳死患者からだけではなく、心臓死患者からの2通りがあります。脳死からの臓器摘出には、生前からの患者本人の意志表示(ドナーカード)が必要ですが、心臓死からの場合は、本人の意志がなくとも家族の意志だけで臓器摘出の条件が成立します。この場合の対象となる臓器は、腎臓と角膜です。心臓死からの提供は、心臓が止まってからの臓器摘出ですから、従来の「死」と何ら変わるところはありません。

 移植医療とはやや異なりますが、「尊厳死」「輸血拒否」などの意志表示は、救命医療とは馴染まない部分もありますが、患者本人の意志は何より尊重されるべきものと考えており、患者さん自身の御意向に沿う方針でおります。


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