体外衝撃波結石破砕術といい、主に尿管結石に対する治療法です。
簡単な原理
水中で発生させた衝撃波を体内の結石に当てると、水や体と結石の波の伝わり方が違うために衝撃波のエネルギーが結石に吸収されて、結石だけが取り除かれることになります。
結石破砕の実際
まずは服を着替えて、治療台の上に横になっていただきます。結石のある場所によって仰向けか、うつ伏せになるかを決めます。次に結石のある場所に衝撃波が集中するように位置の調節を行います。そのときにX線透視をします。その後衝撃波の照射を始めます。
結石破砕を受けるにあたっての注意
この方法は、結石を取り除くのではなく細かく砕いて自然に排出するのを待つものです。そのため、治療によって砕かれた結石がなかなか排出されなかったり、また再度別のところに引っかかって痛みが出ることがあります。
また、結石の大きさや硬さによっては複数回の治療が必要になったり、場合によっては内視鏡的な治療の併用も必要になります。
副作用その他について
体内で結石を砕くので多くの場合は血尿が出ます。これはあまり心配はいりません。しかし、特に腎臓付近の結石を砕いた場合に、まれに腎臓から出血して軽い血のかたまり(血腫)ができることがありますが、安静や止血剤の投与で解決します。
また、前述したように、結石が再度別のところで引っかかって痛みが出ることがあります。この場合には鎮痛剤などで対処するだけでほとんど大丈夫ですが、再度結石破砕を行ったり、内視鏡的治療を要したりする場合もあります。
ただし、妊娠している女性に対しては流産などの危険があり、また胎児への影響が分かっておりませんので、原則として施行できません。妊娠している可能性が少しでもある場合には申し出てください。
この治療法は現在する結石の手術治療の中では最も安全で、患者さんの負担が少ない方法であり、安心して治療を受けてください。